こんにちは、歯科医師の根木です!

今年は新型コロナウイルスの影響で、
遅めの今の時期、学校で歯科検診を受けた方が多いかと思います。

時々、歯科医院で大丈夫といわれたのに検診でひっかかった!
反対に、学校歯科検診で何も言われなかったから
安心してたらむし歯が大きくなってしまった!
という方がおられます。

学校歯科検診と歯科医院では何が違うのでしょうか?

学校歯科検診の目的は、

(1)子供の成長の状況を把握すること。

(2)潜在する疾病を早期に発見して適切な処置を講ずること。

(3)生涯の健康のための教育効果を高めること

です。

スクリーニング(ふるい分け)であり、
確定診断ではありません。

検診は目視のため、
小さなむし歯(若い人は白っぽいむし歯も多い)や、
歯と歯の間のむし歯を見つけることは困難です。

例えば、この写真の歯は一見大丈夫そうですが

レントゲンを撮ってみると、
歯と歯の間にむし歯(黒い影)があることがわかります。

また逆に、

①歯の溝などに単なる着色で歯が黒くなっている(茶渋など)

②初期むし歯で、進行がとまっていると判断された場合、

③抜ける寸前で、永久歯に影響を及ぼさないと判断される乳歯

などは検診で、むし歯と判断されても、
治療しないことが多いと思われます。

このように目視だけでは確定診断まですることは難しく、
子どものむし歯の進行は早いため、
定期的な歯科医院での検診は必要です。

しかし、歯科で定期的に検診を受ける習慣が
日本では根付いていないため、1年に1度視診のみであろうと、
検診を受けることは、重度の歯科疾患を持つ子供を探し出し、
さらに重症化させないためにはとても意味のあることと思われます。

あごの骨の中ではすでに
大人の歯の生える準備が始まっています

健康な永久歯列を完成させるためには、
乳歯を大切にしていくことが重要です

子どもたちには、これから待ち受けているであろう
様々な困難を自分で乗り越えていける強い人になってもらいたい!

「健康なお口」は、きっと大きな力となります。

検診で大丈夫と言われた人も、
これを機に健康について考えてみてくださいね。