こんにちは、歯科医師の小早川です。
前回のブログでは、舌のケアについてご紹介しました。
引き続き、舌のお話をしたいと思います。

お口の中に関するお悩みのひとつとして、舌の色や形で気になるところがある、舌がヒリヒリする、渇いた感じがするなどのご相談を頂くことがあります。

ふと鏡で見てみると、舌の色や形って何が正常なんだろう?と疑問が湧くかもしれません。

“舌診”という言葉を聞いたことはありますか?

東洋医学では、病気の診断や漢方薬の処方など治療法の選択において、舌の状態を観察、分類することが重要とされています。

舌は粘膜組織が薄く、粘膜下の血流や体液循環の状態を良く反映します。
風邪などで発熱すると赤みが増し、逆に血行が悪くなると紫色に変化します。
また、舌の大きさや形も変化します。体の水分が余分に増えて、むくみが生じると大きくなり、逆に不足すると、痩せます。
お口の中の唾液量が減り、乾燥すると、舌表面の溝が大きくなって違和感を感じやすくなります。

このように、舌の観察はかなり奥深く、歯科ですべて解決できるケースが限られるのも事実です。
今回は、むくみの改善に関して、ベロ回し体操をご紹介したいと思います。

全身に約800個存在するリンパ節のうち、200個以上が首元に集中しています。
したがって、顔周囲の筋肉が凝ってリンパ管やリンパ節を圧迫すると、身体全体のむくみにつながります。
そこで、舌の体操を行いながらお口周りの筋肉を動かし、舌に豊富に分布するリンパの流れを良くすることによって、むくみの改善を促します。

舌の色や形の変化は、全身の健康状態を教えてくれるバロメータだと思います。
最近忙しくて疲れたのかな、と思い当たることがあれば、しっかり睡眠を取って、身体を休めてあげて下さいね。
お口の中に原因があれば、わたし達が、治療とケアのご提案をさせて頂きます。
いつでもお気軽にご相談ください。

 

参考文献:舌の診かた、噛むこと研究室